2023.08.31|Parts
〈PARTS REVIEW〉オリジナルACレジスター
JMSAが3年以上という長い時間をかけて開発した、
ACレジスターと呼ばれるエアコンの風量を調整するパーツをピックアップ。
独自の構造で高い信頼性と耐久性が与えられたアイテムなのである。
熱とサビに強く優れた信頼性と耐久性を持つ
ローバーミニの正規輸入モデル、これに備わっているエアコン(クーラー)はユニクラ製。このシステム自体、決して壊れやすいというものではないのだが、そのなかの一部の部品に比較的多くのトラブルが発生する。それがACレジスターだ。このACレジスター、役割は風量をコントロールするもので、電流に抵抗を与えてブロアーファンの回転を遅くして、風量を弱くするというもの。
▲ブロアーファンユニット自体は、グローブボックスの下にある。ブロアーファンの風量コントロールを行うACレジスターは、ちょうどグローブボックスの裏側あたりに位置している。
問題のACレジスターの純正品だが、設計も構成部品も古いため、信頼性と耐久性が低いのだ。熱やサビなどの悪影響を受けて通電不良が発生すると、風量が最大のままになってしまうという症状が多い。つまり、風量コントロールが不可能になるのだ。それに加え、抵抗となるニクロム線が発熱するため、これが発火する可能性があることも純正ACレジスターの問題点のひとつだ。
それらの問題点を解決し、より高い信頼性と耐久性を与えたものが、JMSAが新たにリリースしたACレジスター。ニクロム線を使用せず、昨今の電子機器と同様に基盤を使い、かつ現代的な構成部品を採用している。電流に抵抗を与えてブロアーファンスピードを遅くするという原理は同じだが、基盤や抵抗などに高品質な部品を用いることで、サビや熱の影響が受けにくくなり、結果として高い信頼性と耐久性を得ている。このJMSAのオリジナルACレジスター、大量生産が可能なため安定した供給が実現できたというのも嬉しいポイントだ。
▲完成まで3年以上という年月と多額の資金が投入されたJMSAオリジナルACレジスター(左)。このパーツの登場により、風量調整トラブルが大幅に減少することは間違いないだろう。
■クラシックミニマガジンvol.50(2018年7月)に掲載された情報に、加筆訂正して転載しています。